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2022年8月30日

キャンピングカー、ユーザー98%「災害時に活躍する」 日本RV協会調べ

日本RV協会(JRVA、荒木賢治会長)が全国のユーザーを対象に実施したキャンピングカーの使用実態調査によると、「災害時に活躍する」と考えるユーザーが98・4%に上ることが分かった。旅行やアウトドアなどのレジャーで活躍しているキャンピングカーだが、今は防災対策の側面でも注目を集めている。

ここ数年、大規模な大雨や地震などの自然災害が頻発している。一通りの暮らしの機能を備えるキャンピングカーは万が一の避難先や被災者支援に役立つ車両として、これからも存在感が高まっていきそうだ。

災害に対するユーザーの意識の変化は、キャンピングカーの購入動機にも表れている。購入したきっかけを「防災・災害対策」としたユーザーは25・3%と、4人に1人の割合になった。近年、自然災害が多発している中で、あらかじめの備えとしてキャンピングカーを購入するユーザーが一定割合を占めているようだ。

また、実際に手に入れてから、非常時での活用を視野に入れたユーザーも少なくない。購入後のライフスタイルで変わった点についての質問では、「災害等への備えの意識が高まった」という回答が25・8%だった。旅行やレジャーなどキャンピングカー本来の目的に関する回答以外では、災害への備えが最も高かった。

災害発生時にキャンピングカーによって期待されるものとしては、「空間(プライバシー)」(26・3%)や「電源」(21・2%)、「防犯(セキュリティー)」(10・1%)などが挙がった。空間や防犯へのニーズが一定数あったことは、避難者同士でのトラブルを回避したいと思うユーザーが少なくないと想定される。

キャンピングカーの役割についてJRVAは、「災害時であっても電源が確保でき、停電時でもスマホの充電やテレビの視聴など、現代人の生活に欠かせない生活を維持できることが大きなメリット」と指摘する。電源は走行充電やソーラーパネルによる発電など、さまざまな方法で確保できる。

このため、「キャンピングカーは、災害時の安心感を提供することに適している」と訴える。実際に東日本大震災や熊本地震などでは、キャンピングカーが活躍した事例があるほか、自治体が車両を購入して活用する例も知られている。キャンピングカーの防災対策の役割には、今後も需要が高まりそうだ。

同調査はJRVAがキャンピングカー業界の動向や現状を把握するために毎年行っている。今回は1万4395人を対象にアンケートを実施し、2036人から回答を得た。

カテゴリー 社会貢献
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月27日掲載