会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年7月05日

自動車メーカー カーシェア再び上昇カーブ、燃料高で〝お得感〟

自動車メーカーのカーシェアリング事業が再び拡大局面に入っている。カーシェア全体の市場は、コロナ禍による外出自粛で2020年度に過去最低の成長率にとどまったが、コロナ禍が収束に向かうのに伴って「コロナ禍前のペースの成長率に戻りつつある」(交通エコロジー・モビリティ財団担当者)。

さらに足元のガソリン高も燃料代を利用料金に含むカーシェアのユーザーにお得感を与えているとの指摘もある。自動車メーカーは、コロナ禍後も続く「所有から利用へ」の消費者意識の変化を捉えるため、カーシェア事業の拡大を図っている。

自動車メーカーのカーシェアサービスは17年11月に「エブリ・ゴー」をスタートしたホンダを皮切りに各社が相次いで参入。18年には日産自動車が「e―シェアモビ」を、20年にはトヨタ自動車が「トヨタシェア」を開始したほか、スズキや三菱自動車もシェアリングサービス事業者と協業する形でカーシェアを開始した。

その後、コロナ禍による移動制約でカーシェアには逆風が吹いたことでカーシェアの市場は停滞したが、コロナ禍がピークを超えると、利用者数も増加。カーシェア市場の統計をまとめる交通エコロジー・モビリティ財団によると、20年度末時点のステーション数は前年同期比1・2%増の1万9346台と成長率が鈍化したが、21年度は「2割程度のペースで増加しているイメージ」(同)という。

こうした中、自動車メーカーもカーシェアリングサービスの拡大を加速。トヨタの「トヨタシェア」の今年5月のステーション数は前年同時期比で36・3%増の570拠点に増加した。車両台数も同25・2%増の753台に増えた。ホンダのエブリ・ゴーも利用者数が前年比で増加しているという。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞6月28日掲載