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2022年6月08日

矢崎総業 23年夏めどに後付け事故抑制装置、レンタカーへ搭載見込む

矢崎総業(矢﨑信二社長、東京都港区)は2023年夏をめどに、交通事故を抑制するレンタカー向けの後付け車載デバイスを発売する。事故多発地点での注意喚起や運転挙動の診断など安全運転を促す。加えて、観光地の詳細な情報を提供可能とするなどユーザーの利便性を高めるサービスを組み合わせる。

コロナ禍を受けて落ち込んだ移動需要の回復に期待が集まり、今後レンタカーの利用拡大が見込まれる。事故を減らすことで、レンタカー事業者の車両運用の効率アップに貢献していく考えだ。

車載タブレットとアプリをセットで提供し、本体価格のほか毎月のサービス利用料金が発生する仕組みとする。デジタルタコグラフなど車載計装機器の展開を通じて得た走行データを活用し、事故多発地点での事前警告や運転挙動の診断を行う。後付けが容易なタブレット型とすることで、車種が多様で車両更新サイクルも速いレンタカー事業者でも導入しやすくする。

販売先として見込むのが、観光地のレンタカー事業者だ。道路状況に不慣れなレンタカー利用者が事故や渋滞を引き起こすリスクを低減して地域交通の円滑化を図るほか、将来的には旅行代理店や地域の観光地、地元自治体などと組んで観光情報も提供可能とする方針。最適な観光ルートの提案など、段階的にサービス内容を深化させてユーザーの満足向上を図る構えだ。

事業化に先駆けて、昨年12月にはトヨタ・モビリティ基金(豊田章男理事長)やトヨタレンタリース沖縄(野原朝昌社長、沖縄県那覇市)、旅行代理店のJTBと組んで沖縄県で実証実験を開始した。今年5月25~27日には「人とくるまのテクノロジー展2022」に出展してサービス概要を紹介。小野江保モビリティ事業推進部長は「現場からは好評が寄せられており、地元警察などの関心も高まっている」と手応えを示した。

正式展開に当たっては、沖縄県や北海道などレンタカー利用に占める観光用途の比率が高い地域での導入を見込む。需要が高まる来夏の繁忙期までに商品化する考えで、今後は各地のレンタカー事業者や旅行事業者、観光施設などへの提案を本格化させる方針だ。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞6月2日掲載