会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年6月07日

ホンダモビリティランド ファミリー層を軸にファン拡大

アミューズメントパークなどの運営を手がけるホンダモビリティランド(田中薫社長、三重県鈴鹿市)は、ファミリー層を中心としたホンダファンの拡大に力を入れている。

新型コロナウイルス感染拡大による行動制限によって運営する施設などへの来場者数が一時的に落ち込んだが、事業構造見直しや設備投資を行ったことで2020年を底に、21年以降は入場者数、売上高ともに回復基調に入った。ホンダのブランドイメージの訴求に一層本腰を入れていく。

ホンダモビリティランドは、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)とモビリティランドもてぎ(栃木県茂木町)を運営。「操る喜び」をテーマに展開している。

運営する施設のうちモビリティリゾートもてぎは、1997年の開業から今年で25年を迎えた。これを記念して長年親しまれてきた「ツインリンクもてぎ」から名称を変更した。昨年の大型連休の来場者データによると、南関東エリアからの来場客が6割超を占めている。

園内には、モトGP(ロードレース世界選手権)やスーパーGTなどのレースが行われるサーキット場やホンダ製品が一堂にそろう「ホンダコレクションホール」、子どもから大人まで楽しめるレーシングカート体験施設など滞在時間を満喫できる施設を用意する。これらの施設の中でも、グランピング施設は人気を集めており、予約するのが困難な状況という。昨年には施設の拡張を図り、さらに人気が高まっている。

自動車メーカーが手がけるサーキット場に隣接するホテルなどの複合施設の開発をめぐっては、トヨタ自動車が富士スピードウェイ(静岡県小山町)での開発計画を4月に発表した。今秋にはホテルとミュージアムを開業し、23年以降に順次施設をオープンしていく予定だ。モータースポーツやモビリティの魅力を発信していくという点では、ホンダモビリティランドが展開する2施設の使命とも共通点が見受けられる。

創業者の本田宗一郎氏や藤澤武夫氏の想いを受け継いできた施設は、カーボンニュートラル時代にどう進化していくか、今後の動向に注目が集まっている。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞6月1日掲載