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自動車産業インフォメーション

2022年5月30日

21年のEV・PHV世界販売が倍増 国際エネルギー機関報告書

国際エネルギー機関(IEA)が23日に発表した報告書によると、2021年の電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)を合わせた世界販売台数は20年に比べ2倍以上の約660万台で、過去最高を更新した。22年も1~3月期の販売が200万台と好調を持続しているが、価格上昇のリスクを軽減するためにはバッテリーに使用する原材料の調達の多様化が必要と指摘している。

21年のEVとPHV合計の世界販売台数は前年比119・5%増の657万1649台。EVは同130・8%増の465万1074台で、PHVは同96・4%増の192万575台と、いずれも大幅な伸びを示した。

21年の地域別販売は中国が前年の約3倍となる330万台と世界全体の約半分を占めた。欧州は同65%増の230万台、米国は前年の2倍以上となる63万台と、各地域で伸長している。

中国はEVの売れ筋がコンパクトサイズで、製造コストの低減もあってガソリン車などとの価格差が縮小し、値ごろ感が強まったことも増加の要因とみられる。

持続的な政策支援も各市場におけるEV好調の一因だ。補助金とインセンティブに対する全体的な公共支出は20年比で倍増の約300億㌦(約3兆8千億円)だった。

世界で利用可能なEV・PHVモデルの数は21年末に450に達し、15年比で5倍となった。EVとPHVの保有台数は21年末で約1650万台と、18年比で3倍となっている。

報告書ではEV販売の短期的なリスクとして、バッテリーに使用するリチウムやコバルト、ニッケルなど原材料価格の高騰とロシアによるウクライナ侵攻、中国のロックダウン(都市封鎖)継続によるサプライチェーンの混乱を、長期的には今後のEVの成長に対応した十分な充電インフラの整備を挙げている。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞5月25日掲載