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2022年5月25日

群雄割拠の貨物用EV 新興・大手メーカーが相次ぎ投入

貨物用の電気自動車(EV)を開発、販売する新興企業が、国内EV市場で攻勢を掛けている。フォロフライ(小間裕康CEO、京都市左京区)やEVバスを開発、販売するEVモーターズ・ジャパン(佐藤裕之社長、北九州市若松区)が年内にも新型EVトラックの受注を開始する。一方、いすゞ自動車や日野自動車もEVトラックを年内に発売する見通し。

物流業界では、脱炭素化を進める荷主企業の要望もあり、EVへのニーズが急速に高まっている。新興、大手メーカーを交えた貨物EV市場での主導権争いが本格化する。

フォロフライは、年内にも最大積載量1㌧クラスのEVトラックの販売をはじめる。すでに販売しているEVバンも含め、まずは年販100台を見込む。同社は物流大手SBSホールディングスから貨物EVの受注を獲得しており、今後5年ほどでEVの累計販売を2千台に引き上げる計画だ。

EVモーターズ・ジャパンも貨物用EVの開発、販売を本格化する。これまではEVバスを交通事業者などに売り込んできた。物流業界で脱炭素化に向けた動きが目立ち始める中、小型から大型までEVトラックのラインアップを用意し、25年までに年販1500台を目指す。

新興メーカーにとって課題となるのが、販売、アフター網の構築だ。フォロフライでは、丸紅オートモーティブと販売代理店契約を結んだほか、「ほかの大手商社とも交渉を進めている。大手リース会社との代理店契約を締結した」(小間CEO)と準備を着々と進める。今後は、外部企業と連携してアフターサービス網の拡充を急ぐ。

国内の大手メーカーもEVトラックを相次いで投入する。12~14日にパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された「ジャパントラックショー2022」では、22年度中にEV小型トラックを発売する計画のいすゞが「エルフEV」を、22年内に次期型EVトラックを発表する三菱ふそうトラック・バスが「eキャンター」を展示。

来場した物流事業者らにアピールしていた。日野自動車もEVトラックの投入を計画するなど、貨物EV市場が急速に活気づき始めた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月19日掲載