会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年5月10日

高速道路3社 サービスエリアの大型車用駐車スペース拡充

東日本高速道路(NEXCO東日本)など高速道路3社は、高速道路の休憩施設の大型車用駐車スペースを拡充すると発表した。2022年度から24年度までの3カ年で約1500台分の駐車マスを増やす計画。

高速道路の休憩施設では、大型車の来場増加に加え、乗用車が大型車用マスに停車するなど不適切な利用によって、大型車駐車エリアの混雑が深刻化している。マスを増設して大型車のドライバーが休息を取りやすい環境を整えて、安全運転と事故の未然防止につなげる。

NEXCO東日本と中日本高速道路(NEXCO中日本)、西日本高速道路(NEXCO西日本)が連携して進める。21年度には既存の駐車スペースを小型車用から大型車用に置き換えたことなどで、全国のうち43カ所のサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)で、大型車のマスを907台分増やした。これらのSA、PAの合計では大型車の駐車マスは従来比1・5倍の3057マスに増加した。

22年度から24年度にかけては順次、大型車マスを約1500台さらに増設する。そのうち22年度までに全国約30カ所のSA、PAで600台分を増やす計画。乗用車マスの変更だけでなく、大規模な土木工事や照明、満空情報表示板といった設備移設を伴う工事も行い、スペースを確保する。さらに、今後は休憩施設以外の高速道路事業用地の活用も視野に入れて大型車マスの増設を検討する。

平日夜間を中心に大型車の駐車マス不足で混雑が生じる状況は、依然として発生しているという。例えば、「E1東名 海老名SA(上り)」では、平日夜間を中心に8時間以上の長時間駐車が約6割を占め、車両1台のマス占有時間が長い。こうした状況が大型車の駐車マス不足の要因の1つとなっている。

同時に、不適切な駐車マスの利用が余計な混雑を生んでいる。大型車マスに普通車が駐車する、または普通車マスに大型車が停車するなど不適切な利用のために、本来駐車できる車両が駐車できない状況が生じている。また、兼用マスについては、普通車、大型車それぞれの駐車マスが満車になった場合に使用する設計となっているものの、それが守られず、本来の機能が発揮できない状況にあるという。

また、近年整備を進めているダブル連結トラック駐車マスに、それ以外の車両が駐車する不正駐車も発生している。NEXCO中日本では「E1東名 足柄SA(上り)」などにダブル連結トラック専用の予約駐車マスを整備し、21年4月から運用を開始した。

しかし、予約していない車両が勝手に駐車したり、通路などへの不正駐車により予約車両が利用できないケースが発生していることから、NEXCO中日本は、適正な駐車場の利用を呼びかけている。駐車マスの拡充と同時に、休憩施設を利用するドライバーのマナー改善も課題となる。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞5月2日掲載