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2022年4月01日

自動車メーカーやインポーター 試乗機会にカーシェア活用

自動車メーカーやインポーターで新車の試乗機会にカーシェアリングを活用する動きが活発化してきた。ステランティスジャパン(ポンタス・へグストロム社長、東京都港区)が個人、法人の車両を貸し出すカーシェア「エニカ」の活用をはじめたほか、三菱自動車も「カレコ・カーシェアリングクラブ」をプラグインハイブリッド車(PHV)の試乗機会として活用している。

保有客が高齢化する新車販売事業者にとって、若年層の取り込みは喫緊の課題だ。垣根の低いカーシェアを起点に、新規客の獲得を目指す。

ステランティスジャパンは3月28日、系列ディーラーの試乗車などをDeNA SOMPOモビリティ(馬場光社長、東京都渋谷区)が運営するエニカにシェアカーとして登録する取り組みを始めると発表した。同社が狙うのは、試乗車の有効活用と若年層の来店、試乗機会の創出だ。

共同使用契約の枠組みを活用するエニカで車両を貸し出す場合、レンタカー登録する必要がなく、ディーラーの試乗車をそのまま利用できる。車両を登録したディーラーは、店舗の休日などに車両を有償貸出することで試乗車の維持に掛かるコストを軽減できるほか、普段来店機会の乏しい若年層などとの接点につながる。

ステランティスジャパンの牛久保均営業部セールスダイレクターは「(シェアカーの)利用属性も把握し、マーケティングに生かしたい」と期待を示した。

インポーターの販売ネットワークを包括的に取り込むケースはエニカとして初めて。立ち上がりはステランティス系の4ブランド148拠点の車両を登録した。牛久保氏は「秋までに系列全拠点に参加してもらうよう販売店会議で説明していく。台数も拠点ごとに各3台ほどを確保したい」とし、取り扱いを全ブランドに広げていく考えだ。

一方、三井不動産リアルティ(遠藤靖社長、東京都千代田区)が運営する「カレコ・カーシェアリングクラブ」も、新車ディーラーの試乗機会を増やす取り組みの受け皿となっている。28日には、同社と三菱自が業務提携したと発表。三菱自が用意したPHV「エクリプスクロスPHEV」を都内のステーションに配備した。

カレコはこれまでも複数のインポーターなどと協業してきた。現在は、ジャガー・ランドローバー・ジャパン(マグナス・ハンソン社長、東京都港区)から車両供給を受けているほか、他の国内メーカー系ディーラーとも組んでいる。国内自動車メーカーと提携するのは三菱自が初めてで、同社では今回の提携を足掛かりに、試乗機会としての訴求力を高めていきたい考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月29日掲載