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2022年1月26日

経産省、「空飛ぶクルマ」ロードマップ 25年の大阪万博で披露

経済産業省は、3月に公表する「空飛ぶクルマ」の新たなロードマップの中で、2025年の目標に実機を用いた有人飛行の実現を盛り込む。23年から実証を進め、25年に開催予定の「大阪万博」で披露する考えだ。さらに、新たなロードマップでは事業者が提示したビジネスモデルを踏まえて、より実現性の高いテーマを打ち出す。

空飛ぶクルマは、40年に世界市場が約154兆円に拡大するとの予測もあり、早期の社会実装に向けて官民一体で実用化に取り組む。

現在の「空の移動革命に向けたロードマップ」は18年に作成。23年にモノの移動手段として事業化し、30年代には都市部で人の移動を実現することを目標に掲げた。その後、自動化や電動化をはじめとした技術の進化や実機の開発状況、想定用途の拡大などモビリティを取り巻く状況が変化。

これらを踏まえて新たなロードマップを3月にも示すことにした。新しいロードマップでは、5~10年先の実現を見据えた内容にする。まずは25年の大阪万博での有人飛行を重要ポイントと位置付けて、23年頃に実機を用いた実証開始を目指す。

社会実装の過程では、まずモノの移動手段として普及し、地方部、都市部の順番で人の移動にも活用することを見込んでいる。過疎地ではドローンも併用し、医療品運送などの用途を見込む。すでに一部の自治体と意見交換を行った。費用対効果も踏まえ実現の可能性を探る。

運用体制の構築や法整備の関連もロードマップに盛り込みたい考え。実機やサービスを提供する事業者に検討中のビジネスモデルを提示してもらい、その内容をロードマップに反映する方針。詳細は官民協議会などで詰め、3月にも公開する。

経産省は22年度、空飛ぶクルマの社会実装に向けた技術開発支援策に約29億円を充てる計画としている。空飛ぶクルマを支援対象に含めるのは今回が初めて。また、官民協議会には、トヨタ自動車やスバルも参画しており、自動車メーカーが長年培ってきた技術を生かせる領域になる可能性がある。官民一体で成長ビジョンを描くことで、市場の受容性の高いロードマップに仕上げる。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月21日掲載