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2021年10月27日

「アソモビ2021 in Saitama」80台以上展示 最新「遊べるクルマ」体感

キャンピングカーなど〝遊べるモビリティ〟の展示イベント「アソモビ2021 in Saitama」(主催=アソモビ実行委員会)が17、18日の2日間、さいたまスーパーアリーナで開催された。会場には商用バンの車中泊仕様車を中心に80台以上の車両が展示され、期間中、1万1千人以上(主催者発表)が来場。コロナ禍でアウトドア人気が高まる中、若者やファミリー、中高年まで幅広い層が最新の遊べるクルマを体感した。

軽自動車の車中泊仕様車から約5千万円するモーターホームまで並ぶ会場で目立ったのが、トヨタ自動車「ハイエース」など商用バンをベースにした「バンコン」だ。本格的なキャンプから日常使いまでオールマイティーに使える利便性に人気が高まっている。

ハイエースのオリジナルキャンピングカーブランド「グリーンバディ」を展開する埼玉トヨペット(平沼一幸会長兼社長、さいたま市中央区)は、ハイエース5ドア車をベースにした「Aタイプ」などを展示。多くの来場者がブースを訪れていた。

グリーンバディは、エントリーモデルとなるAタイプをはじめ、ハイエース・スーパーロングをベースにした「Bタイプ」と「Cタイプ」を加えた3グレードで展開している。会場運営の担当者によると、販売の8割以上はAタイプだという。

同社全体で月におよそ7~8台の受注が入っており「コロナ禍によってキャンピング仕様車への関心が高まっている」(営業推進部販売促進課の矢島宏三さん)と、同イベントでも多くの新規客を獲得しているようだ。

オートバックスセブンのオリジナルブランド「ゴードンミラー」も会場にブースを構え、ハイエースがベースの「GMLVAN V―01」と、日産自動車「NV200」がベースの「GMLVAN C―01」を展示した。

同社はオリジナルカーブランドの「ゴードンミラーモータース」を展開し、販売を伸ばしている。現在、オートバックス店舗10拠点で取り扱っており、足元の受注は昨年の3倍のペースが続いているという。

同ブランドPR担当の広瀬ゴンザレス幸雅さんによると、購入する半数は30歳代夫婦。これまで自動車を所有していなかった人からの注文も少なくないようで、コロナ禍で楽しめるレジャー用などとして「奥さんが欲しがるケースが多い」(広瀬さん)という。

一方、手軽にキャンピングカーを利用できる手段として、レンタルキャンピングカーへの関心も高まっている。会場ではレンタル事業者も出店していた。

キャンピングレンタカーを紹介するウェブサイト「レンタルキャンピングカーネット」を運営するアイビル(東京都渋谷区)の川田智志社長によると、3密を避けられるレジャーとしてキャンプ需要のさらなる高まりを見据え、「異業種からレンタルキャンピングカー事業に参入してくるケースが増えている」とし、市場拡大に手応えを得ている様子だ。

こうした中、トラックベースのキャンピングカー「キャブコン」を製造・販売する日本特殊ボディー(蜂谷慎吾社長、埼玉県越谷市)は、レンタルやシェアリング専用車両として開発した新型車「CRESTED ibis(クレステッド・アイビス)」を会場で初公開した。

初めてキャンピングカーを運転するドライバーでも運転しやすいように既存製品よりも全長を短くしたほか、室内の電気スイッチ類を簡素化するなど、初心者が利用しやすくしたのが特徴だ。

蜂谷社長は「レンタルキャンピングカー事業者から要望が多かった要素を取り入れ、商品化した。初めてレンタカーを運転する人でも安心して乗れるように安全性も高めた」と商品力の高さに自信を見せる。近く、新たにレンタカー事業も開始する計画だという。

コロナ禍で加熱するアウトドアブームを追い風に、需要が拡大しているキャンピングカー市場。部・用品の販売機会が通常の車両と比べて増えるため、販売サイドにとっては新たな収益源の確保にもつながる。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月23日掲載