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2021年9月07日

物流各社、小口配送用にEV導入へ 高まる電動化ニーズ

宅配向けなど小口配送用に電気自動車(EV)の導入を目指す動きが広がっている。独物流大手のDHLジャパン(トニー・カーン社長、東京都港区)は先月下旬、集配用車両として初めて軽商用EVを導入し、2030年までに配送車両の6割をEVに入れ替える。佐川急便もベンチャーと組んで独自の軽EVの開発に乗り出すほか、中小の配送事業者でも配送用車両の電動化ニーズが高まっている。

DHLジャパンが導入したEVは、三菱自動車「ミニキャブ・ミーブ」4台。1日の走行距離が少ない東京都世田谷区や同渋谷区などで個人宅への配送やアパレル関連企業の集配に活用する。ベンチャー企業が開発した電動三輪バイクも10台導入するなど、配送用車両の電動化を進める。

ただ、今後の具体的なEV導入計画については見通しが立っていない状況だ。ドイツポストDHLグループは今春、世界で集配車両の6割をEVにする計画を発表した。日本でも約700台ある車両を順次EVに切り替えていく計画だが、現時点で国内の商用EVのラインアップは少なく、導入拡大に向けた動きに出られていないという。

一方、佐川急便はベンチャーのAFSと開発した軽EVを来年9月にも稼働させる。8年をかけて配送用軽車両7200台すべてを切り替える予定で、メーカーのラインアップ拡充を待たずにいち早く電動化を進める。

現在、小口配送に活用されることが多い軽商用車のEVはミニキャブ・ミーブのみ。「メーカーの技術革新に期待している」(DHLジャパン広報担当)など、商用EVのラインアップ拡充を求める声は今後さらに高まりそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞9月4日掲載