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2021年7月16日

オートバックス 他事業者と共用可能な整備拠点、熊本に開設

オートバックスセブンは、地域の整備工場や自動車ガラス修理事業者、電装事業者などとの共用が可能なキャリブレーションエリアを熊本市内のオートバックス店舗に設立した。グループとしては初めての試み。

整備や板金で近隣店舗に入庫した車両や、他事業者から受託した車両のエーミング(機能調整)を集中的に引き受けるハブ拠点として、8月にも稼働を本格化する。BSサミット事業協同組合(磯部君男理事長)の会員をはじめ、地域の事業者にも共用設備として施設を開放する計画だ。

設備投資能力や敷地の制約などから自社でエーミングを完了できない事業者の受け皿となり、地域における先進安全車(ASV)整備能力の底上げにつなげる。

子会社の熊本オートバックス(金子政義社長、熊本市東区)が運営するスーパーオートバックス熊本東バイパス店(同)のピットを改修し、6月末に竣工した。同店では特定整備認証を7月中にも取得する計画で、「8月の稼働に向けて準備を進めている」(金子社長)という。

運用に当たってはグループ会社の車検・板金デポ(上松禎知社長、千葉県浦安市)で研修を受けたスタッフが中心となって作業に携わり、自社で受け付けた車両の施工完了時には特定整備記録簿に加えてオートバックスグループ統一書式の作業証明書も発行する。1日当たり数十台の作業を可能として、将来的なASVの普及に伴う入庫量拡大に備える。

昨年8月に業務提携を締結したBSサミットの会員をはじめとする他事業者との設備共用も計画する。共用については国土交通省が指針を定めており、事業者は他社のエーミング設備を電子制御装置整備の作業拠点として届け出ることで、自社内に設備を持たなくても認証を取得できる(分解整備を実施する拠点としては使用不可)。

金子社長によると、現在は正式稼働に向けて受注・共用時のルールに関する契約内容を詰めており、参画を希望する事業者との話し合いも水面下で進めているという。

7日には同店で関係者向け発表会を開催し、オートバックスセブンの小林喜夫巳社長は「事業者の垣根を越えた取り組みの表れ。顧客の利便性向上を第一に展開していく」と述べ、今後も全国で同様の拠点づくりに取り組む意欲を示した。

BSサミットの磯部理事長も出席し、「設備共用で効果的・効率的な事業展開が可能になる。地域のBSサミット会員にも恩恵が大きい」と期待を示した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月13日掲載